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銀歯とセラミック、前歯や奥歯など部位ごとのおすすめをご紹介

2020/3/14公開 (2024/7/27更新)

虫歯を削った後、詰め物や被せ物をする際に、銀歯やセラミックなど、どの素材がおすすめなのかをご案内します。

まずは銀歯とセラミックの特徴を知っていただき、その上で、前歯や奥歯など、部位ごとにどの歯がおすすめなのか紹介しています。

治療費について

保険診療の治療費は、仕組みが非常に複雑になっているため、患者様のお口の中の状態によっては表記の価格以上になる場合があります。 なるべく実際の治療費に近づけるよう努力はしているのですが、全ての患者様に実態通りにお伝えするのが難しい状況です。 予めご了承ください。

また、自費診療の料金は、材料費の高騰や税率の変動などの外部要因によって変動する可能性があります。 そのため、記載されている料金と実際の料金が異なる場合があります。 ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

銀歯とセラミックの違い

銀歯の特徴

銀歯(金銀パラジウム合金またはチタン冠)は保険がきく歯科材料で、3割負担の場合、詰め物なら2,800~3,500円程度、かぶせものなら4,400~5,800円程度と、安価に治療が可能です。 また、それ自体の強度は非常に高く、割れることがほとんどない材質です。

ただし銀歯は、長期的に見ると様々なトラブルを起こしてきます。

銀歯は接着部分が壊れやすい

銀歯は力がかかるとたわみやすいため、厚みが薄い所があると歯との境目の接着剤(接着セメント)が壊れやすいです。 また、金属なので熱で膨張し、冷たいと収縮するため、境目の接着剤がひずんで壊れてしまうこともあります。

接着剤が壊れると、虫歯菌が侵入して内部でじわじわ虫歯が進んだり、銀歯に接している歯が欠けたりします。

接着剤が破損することで、詰め物自体が外れてしまえばすぐ対処が出来るのですが、部分的に接着剤が壊れると見抜く事が難しく、非常に厄介です。

銀歯は金属アレルギーの症状が出る場合がある

銀歯がお口の中に入っていると、金属アレルギーの症状が出る場合があります。

今は症状がなくても、口の中でじわじわと金属イオンが溶け出すので、将来的に金属アレルギーを発症する可能性もあります。

仮に、皮膚パッチテストなどで金属アレルギーが無いと診断されていても安心はできません。 口の中の金属は常に唾液と細菌にさらされている上に、噛む力がかかったり、酸とアルカリ、熱い物と冷たい物が交互に作用したりして、過酷な状況の中で金属イオンが少しずつ溶け出します。 それを常に飲み込んでいる訳なので、体内に金属イオンが蓄積して、花粉症と同じようにある時期に突然発症する事もあるのです。

これは我々としても全く予測ができないので、金属修復物は無ければ無いに越したことはありません。 特に、保険の金属に含まれるパラジウムという金属がアレルギーを引き起こしやすいことが指摘されています。

銀歯と比較した場合のセラミックの特徴

これらと比較して、歯科用セラミックは以下のような特徴があります。

セラミックのメリット

  • 咬合力によるたわみや熱による膨張収縮がほとんど無いため、接着剤に歪みが生じにくい。
  • 接着剤自体も、強度と接着性が非常に高い保険外のものを用いるため、接着剤が壊れにくく、外れたり、境目から虫歯になったり、内部が感染したりといったリスクを下げられる。
  • 汚れが付きにくく、プラーク(歯垢)の付着がほとんどないため、歯周病のリスクを下げられる。
  • アレルギー症状を起こすことがない
  • 見た目が自然で、劣化がない

セラミックのデメリット

  • 強度を保つために、厚みが必要
    (症例によっては銀歯よりも深く歯を削る必要がある)
  • 保険が適用できないため、治療費が高額

保険適用でも白い歯にできるのをご存知ですか?」のコラムでも触れていますが、純粋なセラミックは保険がききません。 ですがそのぶん、適切に治療をすれば銀歯と比べて安定で長持ちしやすいといえます。

銀歯とセラミック、部位ごとのおすすめ

では部位ごとに、銀歯、保険の白い歯、保険外のセラミックを比較して、おすすめを紹介したいと思います。

前歯(前から1、2、3番目の歯)

前歯の被せ物に関しては、保険なら硬質レジン前装冠かCAD/CAM冠、自費ならセラミックがあります。 料金的な部分を除けば、保険を選択するメリットは無いといえるでしょう。 予算が許すならセラミックをおすすめします。

硬質レジン前装冠のデメリット

硬質レジン前装冠は、内部のフレームは銀歯なのですが、表面の見える部分はプラスチックを使って歯の色を再現します。

しかし硬質レジン前装冠を使った場合、次のようなデメリットがあります。

  • 先端の透明感が再現できない
  • 歯ぐきとの境目に黒ずみが生じる
  • 長期的に劣化して色がくすむ
  • 摩耗しやすい

CAD/CAM冠のデメリット

CAD/CAM冠は、ハイブリッドレジンという、プラスチックとセラミックが混ざった材質です。 金属を使わないので、歯茎との境目の黒ずみが出にくく、金属アレルギーの心配もないのが利点です。

ただし、以下のようなデメリットがあります。

  1. 強度が劣る

    長年使っていると、噛む力が強い方や歯ぎしりがある方はすり減ってしまう可能性があります。

  2. 歯を削る量が増える

    強度が劣るため、被せ物の厚みを確保しないと割れたり外れたりしやすくなります。そのため、歯を多く削る必要があり、神経にダメージを与えてしまう可能性があります。 特に前歯では、神経がある歯に適用すること自体が難しいです。

  3. 外れやすい

    材質の特性上、銀歯よりも外れやすいです。 特に、入れ歯の留め具をかける歯をCAD/CAM冠にすると外れやすいので、あまり推奨されません。

    また、前歯については、歯の長さが短い場合や、上下の歯の位置関係が悪い場合には適用できないケースも多いです。

  4. 連結できない

    歯周病で揺れているなど、歯の土台に不安がある場合は、隣の歯と連結した被せ物にすることで補強することができます。 しかし、CAD/CAM冠は強度の問題から連結ができません。 当然、ブリッジもCAD/CAM冠ではできません。

  5. 劣化する

    プラスチックが混ざった材料なので、長期的に劣化して、色がくすんだり、摩耗したり、汚れが付きやすくなったりします。

前歯部のオールセラミックの特徴

これに対して、セラミックを用いた場合には次のようなメリットがあります。

  • 透明感のあるセラミックの層を重ねて作るので、歯の先端まで透明感や色を再現できる。
  • フレーム自体もセラミックを用いるため、歯茎との境目も美しく仕上がる。
  • 半永久的に劣化せず、変色しない。
  • 着色やプラークの付着が起こりにくく、虫歯や歯周病に強い。
  • 強度が高いため破折、摩耗がほとんどない。

お値段は保険の硬質レジン前装冠の場合10,000円ほど(3割負担時)、セラミックの場合88,000~110,000円です。

詰め物の場合

部分的な詰め物の場合は、保険の白い詰め物(コンポジットレジン)でも問題ない事が多いです。

ただ、保険だと使える色が限られています。 より美しく長持ちする保険適用外の詰め物(ダイレクトボンディング)もあり、色合わせが難しい方などにはおすすめしています。

お値段は保険のコンポジットレジンの場合2,000円ほど(3割負担時)、ダイレクトボンディングの場合11,000~33,000円円です。

小臼歯(前から4、5番目の歯)

まず被せ物に関しては、保険の銀歯、保険の白い歯(CAD/CAM冠)、保険外のセラミックの3種類があります。 患者さんによっておすすめが変わってくるので、詳しく説明します。

小臼歯は結構目立つ部位なので、保険の場合、現在はほとんどの患者さんがCAD/CAM冠を選択されています。

では、何故銀歯が選択肢として残っているのかというと、CAD/CAM冠には前歯のところでも書いたように次のようなデメリットがあるからです。

  • 強度が劣る
  • 歯を削る量が増える
  • 外れやすい
  • 連結できない
  • 劣化する

以上のような特徴から、どちらを入れるかをご相談して決めています。 比較的条件の良い歯であれば、保険診療なら多くの場合CAD/CAM冠を選択される方が多いのが現状です。

保険外が可能であれば、ほとんどのケースでe-maxという強化セラミックをおすすめしています。 料金は88,000円で、負担額がCAD/CAM冠の約10倍程度となりますが、以下のような違いがあります。

e-maxの特徴

  1. 強度が高い

    すり減ったり割れたりする心配がほとんどありません。 歯を削る量もやや少なくてすみます。

  2. 外れにくい

    たわみにくいことに加え、接着剤も保険の制約がないため、優れた接着剤を使うことができます。 外れることはほとんどありません。

  3. 汚れが付きにくい

    よく磨かれたセラミックはプラークや着色を寄せつけないため、虫歯や歯周病に強いです。

  4. より美しい

    材質自体に透明感があります。 周囲の歯と色調がマッチするよう細かい色付けができるため、自然で健康的な仕上がりになります。 また、劣化がないため色褪せることがありません。

部分的な詰め物の場合は、保険なら銀歯かCR(プラスチック)、保険外ならe-max(強化セラミック)、ハイブリッドセラミック、ダイレクトボンディング(保険適用外CR)が選択できます。 実際は虫歯の大きさや部位(歯と歯の間を含むかどうかなど)によりその歯の修復に適した方法をご提示させて頂いています。

大臼歯(前から6、7番目の歯)

大臼歯は、噛む力が小臼歯の数倍かかるといわれており、基本的に保険なら銀歯、保険外ならe-max(強化セラミック)かジルコニア(最も強いセラミック)の選択になります。

条件が合えば、大臼歯もCAD/CAM冠が保険適用となりましたが、長期的なすり減りや、外れやすいなどのデメリットも考慮し、適用できるかどうかを判断します。

それぞれの材質の特徴は、小臼歯の項目と同様です。 ジルコニアは、e-maxよりも強度が高く、その分歯を削る量も少なくて済むので、神経が残っている歯や噛む力が強い方などでより有利になります。

ただし、透明感が劣る分、見た目の自然感が出にくい材質でもあります。 美しさより強度重視のセラミック、と考えると分かりやすいと思います。

実際、前から7番目の歯より6番目の歯、上の歯より下の歯が目立ちやすく、口の大きさや美しさに関するニーズも人それぞれなので、鏡や写真で確認していただき、患者さんごとにヒアリングを行って選択しています。

セラミックをおすすめできない3つのケース

セラミックはほとんどの場合に適用できますが、次のようなケースではおすすめできないこともあります。

1.噛む力が極端に強い、もしくは明らかに歯ぎしりがあるケース

このようなケースではせっかくのセラミックが早期に割れてしまう可能性があります。

セラミックの厚みが確保できず、破損するリスクが高い場合は、あえて銀歯やプラスチックをおすすめすることもあります。

2.虫歯の範囲が狭く、セラミックだと歯を削る量が多くなってしまうケース

セラミックは割れにくくするために、ある程度の厚みを確保、つまり、その分多く歯を削る必要があります。

噛む力が強くかからない範囲の虫歯であれば、小さく削ってプラスチック系の材料で埋める方が有利な場合があります。

3.重度の歯周病や歯根のヒビ等があるケース

土台の条件が極端に悪い歯は、高価な歯を入れても長持ちしない可能性があるので、慎重に検討してご相談の上セラミックの適否を判断しています。

1.2.に関連して、歯を深く削らなくてはならないのがセラミックの最大のデメリットといえます。 虫歯がもともと深ければ関係ないのですが、浅かった場合にセラミックの強度(厚み)を保つために歯の健康な部分も一部削る場合があります。

これは、セラミックが割れやすい材質なわけではなく、責任を持って確実に長持ちさせるためには歯を削る深さに守るべきラインがあるということです。 ジルコニアという強度重視のセラミックなら、削る深さが比較的浅くてすみます。

ですが、ジルコニアは透明感に劣るので、少し作り物っぽい歯になってしまうことがあります。 後悔することがないよう、お口の中の状態と患者さんのご希望を十分考慮したうえで、納得のいく治療を選択できるようサポート致します。

セラミックの料金について

セラミック治療は、全て保険適用外となります。
(保険のハイブリッドセラミックはプラスチック系の材質なので、ここでは除外します)

臼歯インレー(部分的な詰め物) 49,500円
臼歯セラミックオーバーレイ(部分的なかぶせもの) 66,000円
臼歯クラウン(かぶせもの) 88,000円
前歯クラウン・単層セラミック 88,000円
前歯クラウン・多層セラミック 110,000円

別途、保険外処置料がかかる場合があります。

また、どのセラミック(e-max、ジルコニアなど)を使うのがそのケースに最適かをこちらで判断したうえで、ご相談の上決定するようにしています。
(当院では、分かりやすくするためにセラミックの種類による料金の細分化はしていません)

白い詰め物を入れたいが、予算的に厳しいという場合は、ダイレクトボンディング(11,000~33,000円)やハイブリッドインレー(27,500円)もありますので、ご相談に応じます。

ブリッジの料金

ブリッジの料金は、【上記の料金×作成する歯の本数】となります。

例えば1本の歯を失い、前後の歯を含んで単層セラミックのかぶせもので支える場合、欠損1本+前後のかぶせもの2本で計3本分のブリッジになるため、88,000円×3で264,000円になります。

多層セラミックは、強度重視のセラミックをベースにして、陶材(焼き物)の層を何層にも重ねてその患者さん固有の歯の質感、色調、透明感などを再現する方法です。 主に前歯での適用になりますが、臼歯でももちろん適用できますので、より高度な美しさを求める場合には是非ご相談下さい。

銀歯からセラミックへの交換について

セラミック治療には保険の制約がないため、いつでも交換可能です。

とりあえずは保険の銀歯で治療しておいて、余裕ができたらセラミックに交換するという方も多数いらっしゃいます。 虫歯や金属アレルギーが心配な方、見た目が気になる方など、是非お気軽にご相談下さい。

銀歯とセラミックはそれぞれ何年ぐらいもつのか

セラミック自体は半永久的に劣化しないため、寿命というものはありません。 当院では、「一生もののセラミック」を目指して常に治療を行っています。

ただし、どんなに良いものを入れても、日ごろのプラークコントロールが悪いと、境目から虫歯になったり、歯周病で歯を支える骨を失ってしまうこともあります。

また、噛む力が強かったり、歯ぎしりがある方は、歯が欠けたり根にひびが入ったりして歯自体が悪くなるケースもあるため、睡眠時等に歯を守るマウスピースをご提案させていただくこともあります。

銀歯も寿命というものはありませんが、先に述べた天然歯との性質の違いにより、長期間使用するほど接着セメントの破壊、金属イオンの溶出といった問題が起こってきます。 その患者さんの噛む力、嗜好品、プラークコントロール等により大きく変わりますが、銀歯を入れた歯は一般的に5~20年ほどで再治療が必要になるといわれています。

当院では、保険適用の有無にかかわらず、治療した歯を長持ちさせるために治療後のメンテナンス(定期的な健診やクリーニング)に来ていただくことをおすすめしています。 適切な管理をして、その歯で一生快適に噛めるよう頑張っていきましょう!

お電話の前にご確認ください

おかげさまで多数のご予約・お問い合わせをいただき、大変ありがとうございます。

東京の方からご予約のお電話をいただくことが多いのですが、当院は福岡県の「六本にある歯科医院です。

おそらく東京都港区の「六本と勘違いされたのではないかと思います。

東京から来ていただけるならとても嬉しいですが、患者さんに移動時間・交通費など多大な負担をかけてしまいます。 お近くで歯医者さんを探してみてください。