歯の詰め物や被せ物、どういう基準で材質を選んだら良いか?
2025/11/16公開 (2025/11/19更新)こんにちは。福岡市中央区草香江にある「六本松おおほ歯科」院長の大穂耕平です。
「銀歯が気になる」「白い詰め物にしたいけど、どれがいいかわからない」——そんなご相談を日々多くいただきます。鏡を見るたびにキラッと光る銀歯が気になったり、境目からまた虫歯になってしまったり…。
見た目だけでなく、「今度は長持ちする治療にしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
このページでは、「詰め物・被せ物の材質選び」について、保険の銀歯やCAD/CAM冠、自費のセラミック(e-max・ジルコニア)まで、専門医の視点からわかりやすく解説します。
後半では、材質ごとの特徴・費用・耐久性・リスクも丁寧に紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
なぜ「詰め物・被せ物の材質」が大切なのか?
「歯が欠けた」「虫歯の治療後に詰めた銀歯が取れた」――そんなとき、私たち歯科医師は“詰め物”や“被せ物”で歯の形と機能を回復します。
しかし、材質によって「見た目」「噛み心地」「耐久性」「虫歯の再発リスク」が大きく変わるのをご存じでしょうか?
たとえば、同じ虫歯治療でも——
- 銀歯は保険が適用され安価ですが、金属アレルギーや二次虫歯のリスクがあります。
- CAD/CAM冠は保険内で白い歯にできますが、強度や経年変化に注意が必要です。
- セラミック(e-maxやジルコニア)は見た目が自然で長持ちしやすい一方、保険適用外です。
「どれを選ぶか」で、将来の歯の健康寿命が変わる――。
これは大げさではありません。材質選びは“見た目”だけでなく、“再治療を防ぐ”ためにも重要なのです。
保険診療で選べる詰め物・被せ物
銀歯(保険適用)
もっとも一般的な選択肢です。金銀パラジウム合金という金属を使います。 強度が高く、奥歯など強い力がかかる部位にも使えます。 ただし、経年変化によって金属が溶け出し、歯ぐきが黒ずむことや、金属アレルギーを起こすリスクがあります。
メリット
- 保険適用で費用が安い
- 材質自体は耐久性が高い
デメリット
- 見た目が目立つ
- 金属アレルギーの可能性
- 接着の精度が低く、虫歯が再発したり歯が欠けたりするリスクがある
CAD/CAM冠(保険適用・白い被せ物)
最近では、「保険でも白い歯ができる」と話題の素材です。 プラスチックとセラミックの中間のような樹脂系材料で作られ、見た目はそれなりに自然。 ただし、部位によって保険が適用されるかどうかが決まっており、強度面で金属やセラミックには劣ります。
メリット
- 保険適用で白い歯が可能
- 金属アレルギーの心配がない
デメリット
- 割れやすい・外れやすい・変色しやすい
- 材質自体の厚みが必要なため、歯を深く削る必要があり、痛みが出ることも
- 噛む力の強い方や奥歯には不向き
自費診療で選べる材質
e-max(セラミック)
透明感のある美しい仕上がりが特徴です。 天然歯のような質感で、前歯や目立つ部分に最適。 耐久性も高く、適切なケアを行えば数十年使えるケースが多いです。
メリット
- 天然歯に近い見た目と硬さ
- 汚れが付きにくく、接着精度も良いため、虫歯や歯周病になりにくい
- 金属アレルギーなし
- 変色しにくく長持ち
デメリット
- 自費診療のため費用がかかる
- 強い衝撃で欠ける可能性がある
ジルコニア
「人工ダイヤモンド」とも呼ばれる強度の高いセラミックです。 特に奥歯やブリッジなど、噛む力が強い部分に向いています。 透明感は劣りますが、陶材を焼き付けて見た目もより自然に仕上げる方法や、比較的透明感の高いジルコニアも選択可能になってきています。
メリット
- 非常に高い強度で割れにくい
- 変色せず、清潔を保ちやすい
- 長期的に安定した装着感
- 金属アレルギーなし
デメリット
- 費用が高め
- 調整が難しいため、技術力が必要
- 歯よりも硬いため、歯根に負担がかかることがある
- e-maxと比べると透明感が劣る
材質選びのポイント:「見た目」「強さ」「長持ち」のバランス
| 材質 | 保険適用 | 見た目 | 強度 | 耐久性 | アレルギー | 費用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 銀歯 | 〇 | × | ◎ | △ | あり | 保険適用内 |
| CAD/CAM | 〇(部位限定) | 〇 | △ | △ | なし | 保険適用内 |
| e-max | × | ◎ | 〇 | ◎ | なし | 55,000円〜 |
| ジルコニア | × | 〇 | ◎ | ◎ | なし | 55,000円〜 |
「白い詰め物や被せ物」と一口に言っても、目的によって選ぶべき材質は変わります。
- 前歯に近い部分:見た目重視 → e-maxや陶材焼付の多層セラミックが自然でおすすめ
- 奥歯や噛む力が強い方:強度重視 → ジルコニアやe-maxが安心
- コストを抑えたい場合:CAD/CAM冠も選択肢に
歯は一生使うもの。 「今だけ安く」よりも「長く健康に使う」視点で選ぶことが、結果的に“お得な治療”になることもあります。
前歯の被せ物の種類と特徴
奥歯の詰め物の種類と特徴
奥歯の被せ物の種類と特徴
六本松おおほ歯科のこだわり
当院では、日本補綴歯科学会の専門医・指導医による精密な補綴(ほてつ)治療を行っています。 詰め物・被せ物は、単に「見た目を整えるもの」ではなく、「噛み合わせ・歯の寿命・歯ぐきの健康」を含めたトータル治療が大切です。
そのために——
- CT・拡大鏡を使用した精密診断
- 咬合再建・顎関節症にも配慮した設計
- 神経を残す治療を優先した歯の保存方針
治療後も「丁寧・的確なメンテナンス」や「定期的な噛み合わせチェック」で、長期的にサポートしています。
治療の流れ(一般的な例)
-
カウンセリング・診査診断:
→ 悩みや希望を丁寧に伺い、口腔内を確認します。 -
治療計画の説明:
→ 材質ごとのメリット・デメリットを写真や模型で説明。 -
形成・型取り:
→ 歯を削り、精密な型取りを行います。 -
技工・装着:
→ 専門の歯科技工士と連携し、精密に仕上げます。 -
メンテナンス:
→ 定期的な検診で、噛み合わせや劣化をチェック。
よくある質問(FAQ)
気になる質問をタップすると、回答が表示されます。
保険の白い被せ物は前歯にも使えますか?
CAD/CAM冠と呼ばれるものが前歯にも使えますが、強度が低い、外れやすいといった特徴もあり、適したケースは限られます。
一般に、神経を取った歯で、長さと太さが十分あり、上下の前歯が深く噛みこまないようなケースで適しています。 ご自身での判断は難しいため、歯の状態を診断した上で、CAD/CAM冠が適用可能かお伝えします。
セラミックの寿命はどれくらいですか?
正しいケアと定期検診を行えば、数十年使用できる場合が多いです。
保険のCAD/CAM冠の場合は、しっかり接着を行っても数年以内に約20%は外れるというデータがありますが、e-maxやジルコニアといった自費の素材の場合は長期間お使いいただけます。
銀歯からセラミックへ交換できますか?
はい、交換可能です。
古い銀歯を外して虫歯がないか確認し、セラミックに置き換えることが可能です。
セラミックは欠けたり割れたりしますか?
強い力が加わると欠けることがありますが、素材や厚みを調整することでリスクを減らせます。
食いしばりなど強い力がかかりやすい場合は、より強度の強いジルコニアなど、割れるリスクを減らす提案をさせていただきます。
白い歯を入れる場合、費用はどのくらいかかりますか?
部位や素材により異なります。
自費のセラミックの場合、当院では詰め物が55,000円、被せ物が1,100~121,000円(税込み)です。
銀歯は詰め物が3,500~4,500円、被せ物が5,500~7,000円程度です。
CAD/CAM冠は詰め物が4,500~5,000円、被せ物が7,500~9,000円程度です。
ただし、保険の場合、銀歯は接着剤が剥がれて虫歯等になりやすく、CAD/CAM冠は削る量が多く外れやすいといったデメリットもあります。 歯にやさしく、長期的に使えるという点では、自費のセラミック治療が有利です。
ジルコニアとe-maxの違いは?
ジルコニアは強度重視、e-maxは透明感重視です。
強度が高ければ良いというものでもなく、e-maxはより天然歯に近い強度や性質を持っているので、歯や歯根にやさしい素材でもあります。
部位や噛み合わせに応じて適した素材をご提案し、ご希望を伺いながら決定します。
金属アレルギーがあっても白い歯は入れられますか?
はい、可能です。
セラミック素材(e-max・ジルコニア)とCAD/CAM冠は金属を使用しないため、金属アレルギーがあっても問題なく治療できます。
銀歯や金歯、裏打ちに金属を使用する治療は行えませんが、事前に金属アレルギーがあることを言ってもらえれば、歯科医師の側で適切に判断して治療の提案を行います。
セラミックはどのくらいの頻度でメンテナンスが必要ですか?
セラミック自体は長持ちする素材ですが、歯ぐきや歯の根の健康を保つために、1〜6か月ごとの定期検診が必要です。
定期的にメンテナンスを続けることで、10年以上、場合によっては数十年と長期間使えることもあります。
まとめ:あなたに合った「白い詰め物・被せ物」を
見た目の美しさ、噛み心地、そして長持ちする治療。 どれを重視するかによって、最適な素材は変わります。 六本松おおほ歯科では、患者さん一人ひとりのご希望を伺いながら、最適な選択を一緒に考えます。
気になる点や「自分の場合はどうなんだろう?」など、ぜひお気軽にご相談ください。 電話でのご相談も承っています。
電話で相談・予約お電話の前にご確認ください
おかげさまで多数のご予約・お問い合わせをいただき、大変ありがとうございます。
東京の方からご予約のお電話をいただくことが多いのですが、当院は福岡県の「六本松」にある歯科医院です。
おそらく東京都港区の「六本木」と勘違いされたのではないかと思います。
東京から来ていただけるならとても嬉しいですが、患者さんに移動時間・交通費など多大な負担をかけてしまいます。 お近くで歯医者さんを探してみてください。